2010年09月27日

映画「ANPO」と「どうするアンポ」

東京・渋谷のアップリンクで上映されている映画「ANPO」を観てきました。
ANPOとは、もちろん日米安保条約のことです。安保条約の正式な日本語表記は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」、英語表記は「Treaty of Mutual Cooperation and Security between the United States and Japan」ですので「ANPO」という言葉は当然ながら入っていません。
ANPOというタイトルにしたのは、監督が日本で生まれ育ったアメリカ人である、という立場を示しているのでしょう。

この映画「ANPO」は、1960年の条約改定の際の安保闘争の頃の絵画や写真を中心に、その作者たちをはじめとするさまざまな人たちへのインタビューで構成されています。
ナレーションを一切入れずに音声をインタビューと音楽・効果音だけにしたのは、監督のこだわりであり、この作品を力強いものにしていると思います。
ただ、インタビューの断片をつなぎ合わせた編集や、安保闘争時のエピソードと太平洋戦争でのエピソードがごちゃまぜになっていることもあり、安保条約の問題についてよく知らない人にとっては正直言ってちょっとわかりづらい作品です。
インタビューの音声に、語っている本人とは関係ないと思われる写真が挿入されるなど、その編集方針には賛否両論あると思われるものの、膨大な量の当時の写真やフィルムを集めた費用や労力はたいへんなもので、それだけでもかなりの価値があります。お金だけではなくマンパワーもふんだんに使われている作品で、労作と言えるでしょう。

DVD「どうするアンポ」は、日米安保体制を現在の問題として描きたかったので、過去の安保闘争などはほんのちょっと触れただけで、街頭インタビューや米軍基地のある全国各地での「いま」の取材に力点を置きました。
そういう意味では、同じ安保条約をテーマに映画「ANPO」とはアプローチの仕方が違うので、ある意味で「棲み分け」ができたようです。

どちらか一本を観るという人には、私としては自分で創った「どうするアンポ」を勧めますが(笑)、「どうするアンポ」と「ANPO」は両方観るとより面白いです。

キャンプ・シュワブ沖に昇る朝日
※『どうするアンポ』のロゴが合成されている画像は転載していただいてけっこうです。(画像を加工したり悪意を持った転載はご遠慮ください。)

posted by 小林アツシ(あつこば) at 16:15| Comment(1) | TrackBack(0) | その他の作品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「ANPO」については2010年3月23日の『朝日新聞』「ひと」欄で知りました。
検索して監督のリンダさんにメールしたらお返事を頂きました。
僕の第一歌集『010年安保(ぜろじゅうねんあんぽ)』も話題になればいいなぁ。
Posted by トサマ at 2010年09月27日 19:59
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